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2007年02月03日

長い割にはつまらないオハナシをひとつ

アクアプラントはガレージキット以外のイベントにもよく出ているので、割とガレキ業界的には常識な、しかしそれ以外にはほとんど知られていない事柄について質問されることがあります。

「クレスとかもう売らないんですか?」とかそんな感じのコトを聞かれます。

結果から言えば再販とかはたぶん無いんですが、
なぜ再販をしないのか・・・
そんなお話しです。
・・・あぁ、作ってる人には常識的なオハナシですので、まぁ笑って読み飛ばしてくださいな。


平均的なガレージキットはおおざっぱに言って3つの過程を経て完成します。

「原型」
素材は何でも可。とにかくカタチさえ保っていればなんでもいい。
いろんな素材で思い思いのカタチを創造します。

「ゴム型」
完成した原型を埋め込んで雌型を作ります。
素材は主にシリコーンゴム。
イメージ的にはタイヤキの型がゴムでできてると思っていただければ近いかも。

「複製品」
コレがいわゆる“ガレージキット"と呼ばれるもの。
レジンキャストと呼ばれる、まぁプラスチックみたいなものでできています。
これは2つの液体を混ぜると硬化する素材で、硬化時間はだいたい5分くらい。
そしてそれを型に流し込んで複製品をつくるわけです。

この型にレジンを流し込んで複製という作業を繰り返すことで、ガレージキットは量産されていきます。
しかし、ここで問題なのは
「同じゴム型からできるキットはだいたい20~60個程度」
・・・ということです。

プラモデルやタイヤキで使われている型は金属でできていてほぼ半永久的に使えますが、
いかんせんこちらはゴム。
何回か使用しているうちに、へたれたり、裂けてきたりするのです。
でも、1回のイベントなどで売れる数もそれほど多くはないので、ある意味それで充分な数のキットが生産できます。

だいたいそんな感じでガレージキットが作られてるんです。

んで、再販されない理由なんですが、
・1つの型で少数しか生産できないのですが、とりあえず1シーズンはそれで足りちゃう。
・もう一回ゴム型を作るのは、時間も費用も手間もかかる。
・そんなことならその意欲を新作に注ぎたい。
・・・と、そんな感じでしょうか。

これは私の場合ですが、実際、ひとつの作品を完成させた瞬間に色々アラがみえてくるんですよ・・・
最初のうちはちょっとだけ修正してリメイクしようかとも思ったりするんですが、
それなら最初から作ったほうが早いな・・・とか思っちゃって、
最後には、それならクオリティをあげた新作作ったほうがいいな。。。と。
そんなワケで再販ってのはほとんどありません。
実際リスク追って過去の作品の在庫抱えることもないんじゃないかと。ハイ。
すいませんね。
でも、長く続けていくためには必要な判断なのです。
よろしくご容赦のほどを。

ええと。こっからちょっと蛇足。つかちょっとだけ煽り。
今回のワンフェスと個展など用で20種類の根付シリーズを作りました。
予定では50個づつくらい用意するつもりです。
えーと、つまり・・・
買い逃したら、たぶんもう作りませんのでお早めにどうぞ~ってことでひとつよろしく。

投稿者 守亜 : 2007年02月03日 23:55

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